大阪都構想、教育改革など、種々の公約を掲げて勝利した橋下氏に拍手をお贈りしたいと思います。
しかし、
孫正義氏の主張に賛同し、脱原発と太陽光発電へのシフト、発送電の分離という点に関して、技術の現状を理解していないのではないか?、といった疑問を拭い去ることができないように感じています。
「愚かな太陽光発電導入はいつまで続く」
という、現有技術における太陽光発電に対するコスト回収の試算結果が公開されていますが、記事にも記載された通り、建設費用の回収は非現実的です。
そこで、上記の記事を鵜呑みにするのでなく、自分に分かる範囲で調べて見ました。
引用1、太陽光発電の営業運転可否について
また、「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」から、太陽光発電ロードマップ(PV2030+)も公開されていました。
各社・各組織などが報道/公開する、バイオマスによる代替え石油のお話
上記資料より
①まだリサイクルに関して明確な手段が定まっておらず費用が高くなる事(JPEA資料)
⇒実証実験の完了は、平成27年との由
⇒膨大な
太陽電池を必要とするのに、資源回収できなければ、将来世代へ資源不足のツケを回しかねない。
⇒@IT MONOist:「
太陽電池の世界記録を更新、集光型用でセル変換効率43.5%を達成」
ガリウム、インジウムなど、「
レアメタル」を回収できないのは問題ではないのか?
②現在の主要なメーカの太陽光発電システムの寿命は10年~25年(NEDO資料)
⇒従来型火力発電にせよ、嫌われる原子力にせよ、発電コストが従来方式と同等または安くなるのか
③太陽光発電は天候に影響を受けるため、晴天時の昼間以外は発電不可能(NEDO資料)
⇒回避策としてNEDOがWEBで提示する超電導電力貯蔵計画では、2015年完成予定
⇒マイクロ
グリッドなどと合わす計画のようだが、何れにせよ研究段階
⇒基本発電が昼間しか不可能な状況で、本当に利用可能な
太陽バッテリーが準備できて、
夜間電力の昼間の発電だけで補えるのか?
⇒しかし同資料でNEDOが示す、業務実用化完了のロードマップは2030年
⇒従って、太陽光発電に関する現状の日本固有技術は、NEDO 判定では家庭用補助電力
④未完成の国産技術で不可能な、業務用太陽光発電をどう実現するのか?(上記の技術的な実情に対する疑問)
⇒外国から技術
特許を買い取ってでも、実現するのか?
⇒本当に孫氏が主張する2兆円で作れるのか?
⇒電力インフラの基幹技術が非公開の外国製技術であれば、国家にとって重要な電力インフラの中身が、
米国製戦闘機などと同等にブラックボックス化して、独自技術の発展になんら貢献しないのではないか?
⑤JPEAの資料が提示する、天候に左右されない
宇宙太陽光発電システムを待つ?
⇒おそらくは22世紀まで待つ必要があるかも知れないが、それまでは天候と夜に影響されて、
24時間連続して安定発電ができない。
⑥公的な資料では言及されていないが、沖縄の基地問題でクローズアップされた長期に渡る環境評価評価を、
一体誰が何処で実施するのか?
⇒風力発電では、低音
公害による自然環境への悪影響と、発電施設周辺住民への不眠・頭痛ノイローゼなどの問題が発生している。
⇒先ず首相官邸と国会議事堂や議員宿舎付近で大規模運用検証するなど、一般国民への健康被害や、
自然環境への悪影響などの、一般国民と自然に迷惑をかけない意味で、十分な事前検証を行なって欲しい。
⇒世界の趨勢で、風力発電による自然環境への悪影響が一部で取りざたされているが、
太陽光発電では絶対に自然への影響が無いと言い切れるのか?
⑦代替え石油を国内で安価に生産できれば、研究開発費用が膨大な太陽光に拘る必要が無いのでは?
⇒安定的に石油を安く調達できるなら、従来技術の火力発電延命の方が確実
⇒海賊の件など、情勢不安定な中東系
産油国からの輸入削減できれば、調達コスト削減の意味でも意義が高い。
上記のような形式で、素人が思いつく程度で懸念などが列挙される以上、孫氏の意見を万人が納得するとは考え難い状況だと思います。
上記引用1までに記載した通り、孫氏の主張は壮大で太陽光バブリーな展開も期待できますけれど、技術的な裏付けが非常に乏しい事実が歴然としてあります。
孫氏の説明では、「日本各地に太陽光発電を行う施設を整備して~、電力ネットワークを通じて、更に国際的に融通し合う~」と仰られますが、国内の東日本と西日本でさえ、送電用の交流電力周波数が異なります。
そのため、西日本で使用する60Hz交流電力(
米国製の発電機が最初に導入された経緯による)を一旦直流へ変換した後、東日本向けの50Hz交流電力(
ドイツ製の発電機が最初に導入された経緯による)へ変換する非常に大規模な施設を作っています。
(記事内記載の周波数変換へ言及した個所)
しかし、100万KWの電力(約原発1機分)を西日本から融通するのがせいぜいな状況です。
(福島原発停止前から、他所から融通しなければならないほど、関東では電力が不足しているのであり、
経団連が原発再開を強く望むのは企業経営者として、ごく当然の姿だと思います)
また、最初から直流電力で長距離送電と言う方式は技術的には困難であり、東北~北海道間の函館海峡の直流電力送電距離が世界最大規模となっており、北海道から九州の先まで電力ネットワークで繋いでと仰る前に、日本の特殊事情に対応した大規模な電力ネットワークの実証試験が先ず第一に必要になります。
そう、日本固有の現有技術では、どの案も簡単には対応不可能となっています。
かと言って、日本の国策にも直結する太陽光発電システムを、
米国製の戦闘機と同様なブラックボックスの塊である外国製品で構築したら、日本全国への展開構想から見ても、導入した
特許技術を持つ外国から保守要員を大量に召喚する必要が生じて、太陽光発電システムによって稼いだ金を、そのまま外国へ送金する結果をも招きかねず、経済浮揚の起爆剤にもなりはしません。
例えば、研究途上である太陽光発電システムの建設規模を縮小させる「
集光型太陽光発電システム」や「日刊工業新聞:
東大、量子ドット太陽電池の理論変換効率75%に」など、技術の完成を待って建設コスト削減及び、太陽光発電に関わる運用及び建設コストの完全回収を図るのも一つの方法ではないでしょうか?
(つまり、大規模太陽光発電を延期する選択です)
また、大規模太陽光発電システム建設にあたっては、
①日本国内の保有技術だけで長期メンテナンスを実現できて国内雇用創出にも寄与する
②技術面や設備運用面の補修経費も見据えた、太陽光発電システムのライフサイクルを総合的に俯瞰
③上記などを通じて、日本経済浮揚に向けた提言
でなければ、国内企業のお歴々が集まった
経団連が、首を縦に振ることがあり得ないのは自明の理とも言えるでしょう。
そして、太陽光発電に関して、橋下氏に問いたい事
橋下氏が、孫氏が提唱される太陽光発電システム推進を望まれるのであれば、先ず日本の国情にあった現有技術の範囲で、誰にでも検証可能な裏付けとなる技術的手段を開示しなければ、国民の多く(特に技術者)は決して納得しないと考えています。
⇒NEDO・
「PV2030+」の未来展望を示す、分り易い説明記事
現有技術で、建設コストと運用コストを回収する事が、本当に出来るのでしょうか?
理論は理論であって、即実用可能な安定した製品では無いし、そもそも未完成技術を当て込んだ大規模計画など、絵に描いた餅と言われた時、どうやって現有技術だけで技術的に実現可能なのか?、を一般的な市民・府民・近府県民レベルへ分り易く証明して頂けるのでしょうか?
もし、研究途上の技術を利用する事が前提であれば、期限内に開発及び大規模な実証試験が確実に完了して製品化される事を、何方が国民に対して保証して下さるのでしょうか?
⇒もし、
「愚かな太陽光発電導入はいつまで続く」で提示された、建設・運用コストをペイできない事態が発生した
場合、客観的に見て事業は失敗でしょうし、
導入を推進した 橋下氏の政治責任を問う声も当然発生する
可能性が高くなります。
(年間発電量×売電額×耐用年数で、1~2年経てばコスト回収可否はすぐ判明します)
もし、大規模太陽光発電システムが失敗した場合、聞こえの良い理由付けで赤字
国債を乱発し、
未来に渡って一般国民に対して
国債償還負担を強いるのでしょうか?
(もし、尻拭いに多額の国債を発行すれば、再び大規模な民意が動くでしょう)
そして、大規模太陽光発電システムと、電力送電の実情(周波数変換が必須)が技術的に考慮されているという明記された資料・証拠も無いままに、何故、日本全国及び海外との送電ネットワークが実現すると判断されたのでしょうか?
素人考えでも、実にたくさんの疑問点が出てきますが、孫氏の主張と同様の大規模な太陽光発電を推進される、橋下氏におかれては、技術的側面に関して、如何お考えでしょうか?
素人が勘違いしただけで、杞憂にしか過ぎない事を、技術的に是非とも実証して頂きたいと思います。
(その他、橋下氏が掲げた公約には賛成です、是非安心させて下さい)